動的粘弾性測定による弾性率の測定：硬質ポリウレタンフォームにおける動的圧縮弾性率

摘要

ポリウレタンフォームは硬質ポリウレタンフォームと軟質ポリウレタンフォームの2種類が大きく占め、主として硬質ポリウレタンフォームは独立気泡のため断熱材として、軟質ポリウレタンフォームは連通気泡のため吸音材、クッション材、自動車内装材、緩衝材として用いられている。 硬質ポリウレタンフォームは高強度で断熱性に優れているため船舶、車両、冷凍·冷蔵庫倉庫などに使われているが、最近では自動車の補強材や宇宙構造物の構造部材への適用にみられるように構造材として用いられることが多くなった。 硬質ポリウレタンフォームを構造材として使用する上で弾性率は重要な物性値であるが、十分検討されていないのが現状である。 著者らは硬質ポリウレタンフォームの圧縮弾性率について、気泡構造のモデル化による静的弾性率の推定、静的弾性率と動的弾性率との比較、動的弾性率の時間変化などの研究を行ってきた。以下に弾性率の測定方法について述べた後、硬質ポリウレタンフォームにおいて、静的弾性率と動的弾性率との比較、動的弾性率の温度特性、動的弾性率の時間変化からの耐熱性の評価方法について述べる。