日本初の燃料電池自動車

摘要

設置当時は第一次世界大戦が終わる頃で，欧米の工業製品との技術力格差への危機意識と，伸び続ける関西経済界の要請のもとに，化学·窯業などの産業を担う国立の試験研究機関として設立された．当初は淀川べりの大仁（だいに）という場所（大阪市大淀区．跡地は現在の大阪市水道局大淀配水場）にあった（図1）．その後昭和42年に大阪府池田市に移転して現在に至っている．産総研関西センターはこれまで，その時代やその先の時代に必要とされる技術の産業化に取り組み多くの貢献を果たしてきた．中でもPAN系炭素繊維や透明導電膜製造法の発明，ニッケル水素電池の負極用合金開発や金ナノ粒子の触媒作用の発見等は顕著な成果である．今回と次回に渡って誌面をお借りし，産総研関西センター100年の歴史に関係するトピックスを紹介させていただく．今回は日本初の燃料電池自動車をとりあげる．