建築物を支える素材としての建築材料は,これまで,その時代·風土に応じて,様々なものが利用されてきた.その使用状況での要求性能·機能に対応する形で,天然材料と人工材料の生産形態的区別,有機材料,無機材料,金属材料,複合材料の材料特性別分類,構造材料と非構造材料(或いは機能材料)の用途別区別を問わず,多種多様なものが建築材料として大量に使用される.しかし,環境との調和のとれた材料科学技術の発展が,今後の人類の存在と活動の基盤を構築する上での焦眉の急であることが認識されるようになってきた.このため,地球環境保全に向けて材料からのアプローチを図る環境調和型材料(エコマテリアル)の概念が,日本を情報発信源として提唱されて,科学技術振興調整費総合研究「材料のエコマテリアル化のための評価·設計技術の研究」(ェコマテリアル·プロジュグり(平成5·&&9年度)が進展する中で,世界的にもその重要性が認識されるようになり,建築材料についてもその視点が益々要請されるようになってきている.資源循環と環境保全に配慮した持続的発展可能な環境調和型·循環型社会の構築が,21世紀以降の人類の夢と希望を持った生活と活動を支えるための必須条件と考えられている.その基礎として,環境と経済と安全性/長寿命性の3つのバランスに立った持続的発展可能な建築及び建設(sustainable buildings and construction)の確立が叫ばれつつある.
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