ウォークスルー型爆発物探知システム

摘要

本稿では、高スループットで、検査に人手を必要としないウォークスルー爆発物探知装置について解説した。高精度な質量分析を用いることで、空港や駅での実証試験の結果において、良好な検出率と誤検出率が得られている。また、監視カメラを用いたリアルタイム人物追跡システムは、ウォークスルー爆発物探知装置の実運用上課題となる対象者の確保に対し、有力なツールとして期待できる。今後は、計測対象となる爆発物種類の拡大、装置耐久性の向上といったハード面での改良とともに、人物追跡システムに関しては、より高い認識率を得るための検索アルゴリズムの改良を行い、本システムの公共施設での普及を目指していきたい。