軸対称収縮拡大ノズルにおけるクラウドキャビテーションの非定常挙動観察（特に,十分発達したキャビティ状態）

摘要

十分発達したキャビテーション状態にある2種類の拡大部長さの異なる軸対称収縮拡大ノズル内流れにおいて，クラウドキャビテーション挙動を高速度観察および画像解析により実験的に検討した。ここに，ノズルAは十分長い拡大部長さをもち，ノズルBは比較的短い拡大部長さをもつ。いずれのノズルにおいても周期的クラウドキャビテーション運動が認められる。つまり，ノズル出口部の影響によりリエントラント運動が発生そして進行する，いわゆるクラウドキャビテーションの構造的不安定性挙動がみられる。いずれのノズルにおいても，リエントラント運動のスロート部到達により，付着キャビティがノズルスロート部から切り離され下流移動し，クラウドとして放出される（放出クラウドI）。一方，ノズル出口部においては付着キャビティ長さが制限され，付着キャビティの一部が引きちぎられる形で離脱し放出クラウドを形成する（放出クラウドII）。つまり，2種類の放出クラウドI，IIが存在する。