周辺構造を用いた条件付肝臓統計アトラスの構築法に関する基礎的検討－非剛体位置合わせに基づく手法と統計的手法の比較－

摘要

臓器形状·位置の統計アトラスを構築する際周辺構造の制約条件により個体間の変動を減少させ統計アトラスの予測精度を向上させることが期待できる．本稿では，肝臓を対象として，周辺構造として腹腔を用いた場合における統計アトラスの構築と評価について述べる．各学習画像データから，腹腔が抽出されていると仮定する．統計アトラス化を行う対象臓器の個人間変動をできるだけ小さくするため，全ての患者データを標準患者の腹腔形状に合うように空間的正規化を行う方艶統計的計算を用いる方法の2つの方法によつて実験を行った．実験により，2つの方法で統計的形状モデルを構築し，Leave－one－out交差検定により周辺構造による制約を用いた統計モデルの効果を評価した．空間的正規化では，重心正規化に比べて腹腔形状による正規化を行うことによって近似精度の向上が確熱された，また統計的手法においては，重心正規化に比べて平均形状の予測精度が向上した．