ソリトン変換と断熱ソリトン圧縮に基づく光パルス圧縮ファイバの設計

摘要

光ファイバによる断熱ソリトン圧縮法は比較的高品質な光パルスを発生可能な方式として知られている。 しかしながら、その設計指針は「ソリトンパルスを出来る限り緩やかに圧縮する」というものであり、要求される「緩やかさ」は必ずしも明確ではない。 更に、入力パルスがソリトン以外の場合には分散波、すなわちペデスタルの発生が問題となる。 本稿では、ペデスタル発生の抑圧という観点から断熱ソリトン圧縮系の分散プロファイルの最適化を行う。 また、ソリトン以外の光パルスを、分散波を抑制しながら光ソリトンに変換する分散プロファイルの導出手法を提案する。これらの設計に基づく圧縮ファイバを使用すると、例えば種光としてビート光を使用し、圧縮率が高い場合であっても、ペデスタルが極めて抑圧された光パルス列の発生が可能となる。