非平衡低温プラズマによる脱臭技術：プラズマ処理フィルタを用いた悪臭ガス·微粒子の同時除去

摘要

近年、居住環境のさらなる改善を目的として、特に日本国内では室内用の各種小型空気清浄装置が数多く市販されている。 それらの多くは、数kV程度の直流（DC）コロナ放電を利用した電気集じh機（Electrostatic Precipitator、ESP）や集じhフィルタを利用しており、微粒子の捕集効率は90％を超えるものも珍しくないが、例えば、高濃度のたばこのガス状悪臭（アンモニア、アセトアルデヒドなど数十種類の成分からなる）には効果が少なく、新しい視点での効果的な悪臭除去技術が必要となってきている。 そのための有力な方法として高電圧放電プラズマや、プラズマにより活性化される脱臭フィルタを用いた方法が注目されている。 本稿では、初めにプラズマ脱臭ならびにプラズマ活性化フィルタに関する基本的原理ならびに従来の研究について概略を解説し、ついで著者らにより行われた、空気清浄システムに応用可能な集じhフィルタのプラズマ処理法ならびに悪臭ガス·微粒子同時除去に関する性能試験結果を紹介する。