2GHz帯in vivoぱく露実験における雄ラット生殖臓器のSAR評価－FDTD法を用いたドシメトリ評価検討

摘要

携帯電話電磁波の雄性生殖機能に対する影響調査を目的とした実験では，当該組織のような小さな組織のドシメトリ評価は困難である．本稿では，実験における雄ラット生殖臓器のドシメトリである平均SAR（比吸収率）について数値ファントムを用いてFDTD解析により評価する．小動物用ばく露装置を利用した実験時のラットの位置および加齢による組織寸法および重量の変化に起因したSARのばらつきを評価するため，8週齢から10週齢に対応したモデルを作成し，さらにばく露装置のケージ内で22通りのラット配置を設定し評価を行った．生殖臓器のSARは，ラットの位置により平均値との比較で0.16～3倍程変化し，週齢の違いによるSARの変化幅は約6％であることを示す．