マイクロギャップ放電に伴う放射電磁波強度と電極表面状態の関係

摘要

ESD静電気放電あるいは電気接点の開成などに伴い広帯域に及ぶ電磁波が発生する．また，比較的に低い電圧においても電磁妨害が発生する事例が報告され，EMCにおける問題となっている．そこで，1kV以下のマイクロギャップ放電に着目し放電電圧と放射電磁波強度の関係について検討を行った．1kV以下のマイクロギャップ放電においては，放電開始時の絶縁破壊電界強度は放電電圧に反比例して上昇する傾向を示し，特に400V以下の放電では電極間の絶縁破壊電界強度は急激に上昇し，326Vの放電では約80MV/mと非常に高い値を示すことがわかった．今回，マイクロギャップ放電によって発生する放射電磁波強度のバラつきについて検討を行ったところ，放射電磁波強度は電極の表面仕上げ状況と比較的に強い関係があることがわかった．本報告では放電に伴う放射電磁は強度と電極の表面仕上げ状態との関係について述べる．