省エネ型消化槽撹拌装置: 嫌気性消化における撹拌の新技術

摘要

下水道で消費される電力量は、国内消費電力量の約0.7%を占めるが、近年、環境問題への関心の高まりもあり、エネルギーの有効利用が進められている。下水道の資源活用を促進するべく、国土交通省による「バイオガス利用活用事業」の創設、経済産業省による「固定価格買取制度（FIT制度）」が開始されており、消化槽においては下水汚泥を嫌気消化（メタン発酵）させて活用する創エネルギー事業としての取り組みが行われている。汚泥の減量化のみならず、メタン発酵ガスを回収、発電に用いるもので、嫌気性消化槽を採用する自治体も増加傾向にある。本装置は嫌気性消化槽で安定消化をおこなう上で必要な「槽内の均一混合」、「ガス分離の促進」、および「スカム発生の抑制·形成時の迅速なスカム破砕」に優れた撹拌作用を有する。従来装置に対して低動力での運転が可能である。