関与物質総量TMRを用いた使用済み製品に含まれる元素·素材のリサイクル性評価

摘要

都市鉱石TMRを用いた都市鉱山の評価方法はまだ開発したばかりの手法であり，改良·拡張の余地が多く存在すると考えられる。しかし，この方法を用いることで自然鉱石と都市鉱石を「鉱石品位」という観点で対等に評価することが可能であり，ひいては都市鉱石のリサイクル性評価にも利用できると考えている。近年，「レアメタル」という言葉が大きな注目を浴びており，都市鉱石TMRも当初はレアメタルを主な対象として開発した評価手法である。しかし本手法は，実際にはレアメタルだけでなくアルミニウム，マグネシウム，チタンといった軽金属のリサイクル性の評価にも応用することが可能である。資源の少ない日本にとって，都市鉱山をいかに有効利用するかが持続的な発展の鍵になることば間違いない。本稿を通じて，都市鉱山はあらゆる観点から評価する必要があること，そして評価法の一つとしてTMRの概念をご理解いただき，ひいては都市鉱石TMRを用いた評価法に少しでも興味を持っていただければ望外の喜びである。