Al-遷移金属系合金急冷凝固材の組織と機械的性質に及ぼすScとZr添加の影響

摘要

純Alに0.2Sc，0.2Zrおよび0.2Sc＋0.2Zrを添加した合金，およびAl－8Fe系，Al-4Fe-4Ni系，Al-8Mn系，Al-8Mn-2Cr系合金に0.2Sc＋0.2Zrを添加した合金について，急冷凝固フレークとそのP／M材の組織と橙械的性質をしらべ以下の結果を得た。 （1）Al-0.2Sc，Al-0.2Sc-O.2ZrのP／M材でほマトリックスとの整合性が高いL12構造の球状粒子が析出しているため，Al-0.2Zrよりも高い硬さを示す。 773K等時加熱後では，Sc＋Zrを添加した合金の析出物はSc単独添加の粒子より小さく,数が多いため673Kと773Kの焼なましによる硬さの低下が小さい。 （2）Al一道移金属系合金の急冷凝固P／M材でほSc＋Zrの添加による結晶粒微細化の効果ほほとhど認められなかった。 （3）Al-道移金属系合金の急冷凝固P／M材にSc＋Zrを添加するとAl_3（Sc，Zr）球状化合物の析出により，無添加合金の硬さよりも約20HV高い値が得られた。 しかし，Al-8Mn－2Crでほ大量に析出する遷移金属化合物の影響でSc＋Zr添加効果が現れなかった。 （4）球状化合物の析出強化によりScとZrを添加した合金の方が高い引張強さとなったが，Al-8Mn-2Cr-0.2Sc-0.2ZrほG柏の析出のため引張試験を行っても弾性填で破断するためSc＋Zrの添加効果が現れなかった。 （5）Al-8Mn-2Crを除く本実験で作製したAl遷移金属系合金にScとZrを同時添加した合金の急冷凝固P／M材においては，Al_3（Sc，Zr）球状化合物の析出強化が発揮される。 　 おわりに，この研究の一山部ほ日本大学生産工学部ハイテクリサーチセンターの研究資金により実施されました。 また，卒業研究生として本実験の遂行に協力された小玉真善子,玉槻晃の両氏に深く感謝いたします。