Al-Mg－Si合金の多段時効挙動に及ぼす予備時効温度の影響

摘要

Al-Mg-Si系合金は，時効硬化性、成形性および耐食性などに優れる点から種々の用途に用いられており，近年，特に自動車ボディへの適用が注目されている。自動車ボディパネル用6000系アルミニウム合金には，成形加工時には耐力が低く成形性に優れること，塗装焼付け時の加熱により高い時効硬化が得られる（Bake＝ardresponse，以下BH性）ことが望まれる。しかし，この合金系は複雑な二段時効挙動を示し，実用合金組成の範囲では最終時効処理の前に室温で一段目の時効を加えると時効硬化が著しく低下すること（負の効果），また一段目の時効を343K以上の温度で行うと時効硬化性が改善されることがよく知られている3）。