4次の統計量に基づく脳磁図の逆問題解析

摘要

脳磁図計測（MEG）では，SQUIDとよばれる高感度の磁気センサを用いて無侵襲に計測した頭表上の磁場から，脳内の活動部位を推定するという，いわゆる生体磁気的逆問題が重要な問題である．MEGの逆問題解法はこれまで数多く提案されているが，いずれの手法も信号対難音比（SNR）が十分に大きくなければ精度の良い推定を行うことができない．その要因のひとつは，計測データの2次の統計量までしか用いておらず,計測データから得られる情報が十分に活かされていないためである。一般に,脳内から観測される信号はノンガウシアンであると考えられることから，観測信号をもとに信号とノイズの良好な分離を行うためには，高次の統計量を考慮する必要がある．