放電加工における加工屑濃度とギャップ長の関係

摘要

円筒電極半径方向の加工屑濃度分布を解析により求めた．また，加工中のギャップ長分布を実験により測定した．そして，半径方向位置をパラメータとして両者を対比させることで，ギャップ長を加工屑濃度の関数として表すことができた．この関数は1次より低い指数関数で表され、ギャップ長の加工屑濃度依存性は比較的小さいことが分かった。 またこの関係は，放電加工のシミュレーションにおいて，放電位置の決定のための指標として有用であるが，本研究で用いた放電面積，放電エネルギーの条件下のみにおいて有効であり，他の条件下でのギャップ長は放電面積や加工屑直径などの影響を受ける可能性があることを考察した．また，電気泳動の影響による加工液と加工屑の流速の違いを実験により比較した結果，本研究で用いた放電加工条件では加工液と加工屑の平均流速は等しく，電気泳動の影響は考慮しなくてよいことがわかった．