軸流圧縮機サージ挙動の基本的性格（第2回）: サージ挙動の全体像

摘要

第1章でごく単純化された流路における微小擾乱振動を基に、サージ挙動の成長あるいは減衰を記述するパラメタが提案された。その妥当性を現実的な圧縮機の状況で確認するために、幾つかの圧縮機と流路条件でサージ状況を計算し直し、stall stagnation（以下特別の場合を除いてstagnationと略称）境界に関連するデータを求め直し、検討した。その結果について本章で述ベる。ここで報告する結果は軸流圧縮機サージ過渡挙動解析コードSRGTRANによる数値実験の結果に基づくものである。本手法は時刻t、およびx方向各一次元の解法である。圧縮機は各段の特性を用いて段毎に表現し、2段階Lax-Wendroff法で解析する。圧縮機の旋回失速等、旋回成分は解析に含まない。流路は適切な数の検査体積に分割し、特性曲線法で解析する。本手法の詳細についてはYamaguchiを参照頂きたい。