軸流および遠心圧縮機における非定常流動現象のEFD/CFD解析

摘要

ターボ機械における圧縮性流れのCFD（Computational Fluid Dynamics）という観点から、この30年間にわたるCFDの発展を振り返ると、1980年代はベクトル型スーパーコンピュータの普及が進むとともに、TVDスキームに代表されるような数値計算スキームの提案、乱流モデルの構築、ならびに計算格子生成技術の開発が精力的に展開され、正にCFDの創成期であった。この頃には、衝撃波を伴う享次元遷音速翼列流れを定量的にも再現できるようになり、直線（二次元）翼列試験がCFDで代替されつつあった。90年代には、スーパーコンピュータやワークステーションなどの計算機環境のさらなる向上と商用コードの普及が図られて、CFDは成熟期に入り、ターボ機械についても三次元CFD解析の実施が容易となった。2000年代以降は、スーパーコンピュータがベクトル型から超並列スカラ型へと移行するとともに、CFDと最適化手法との融合が一段と進められ、ターボ機械の空力設計においてもCFDは不可欠なものとなり、CFDは実用期に達したと言える。