口紅の光学特性を考慮した塗布色推定手法

摘要

我々は以前，皮膚の色や質感を整えるファンデーション（以下“FD”）に着目し，FDを皮膚に塗布した色（以下“FD塗布色”）の推定手法を提案した[1]．推定した塗布色をディスプレイ等に表示することで，化粧のアドバイスや商品開発に役立つ．しかしながら，顔全体の化粧には，FDだけでなく，“ポイントメイグと呼ばれる唇や目周囲を彩る化粧品も使用される．その中でポイントメイク化粧品の1つである口紅は色の種類も多く，油剤と顔料の配合比率によって発色作用が異なり，塗布色に唇色が影響するため，口紅そのものの色と実際に口紅を唇に塗った時の色（以下“口紅塗布色”）は異なる．その為，FDと同様に口紅塗布色の推定は重要である．しかし，FD塗布色推定式をそのまま口紅塗布色に適用すると，誤差が大きかった．