DNAを用いたバイオ計測

摘要

ワトソンとクリックにより核酸の二重らせh構造が示されたことによって，生命が遺伝情報を保持し，それを次世代へと受け継ぐために必要な複製メカニズムが明らかになった。 以来，核酸は生命体の情報を司る分子と考えられている。しかし，この分子構造に秘められていた核酸の配列特異的な構造形成能力は，思いがけない核酸研究の展開を導いた。コロラド大学のチェックらによる機能性核酸（リボザイム）の発見に端を発し，スクリブス研究所のジョイスらによる機能性核酸を取得するための試験管内進化法の開発や，ニューヨーク大学のシーマンらによる核酸を用いたナノ構造体の構築なぎ，今や核酸ほ，タンパク質に優るとも劣らない機能性分子として注目されている。