短期エネルギー需給見通し2009年度までの予測と原油価格，経済成長および気温による影響分析

摘要

本報告は2008年度（平成20年度）および2009年度におけるわが国のエネルギー需給の予測を行うことを目的としている。 エネルギーは経済活動（本源的需要）の「派生需要」と位置づけられることから，まず経済動向を見極めることが重要である。 世界経済は，2008年9月のいわゆる"リーマン·ショック"を境に一変した。米国発の金融危機により先進国経済はマイナス成長，急成長を遂げた新興国も大きく減速しはじめている。 そして，輸出主導で戦後最長の景気回復を維持してきた日本経済も下降局面に入っている。 製造業の生産調整が急ピッチで進むなかで，雇用不安も高まってきており，消費マインドも悪化している。 エネルギー需要も，生産活動の不振などにより，減少幅が大きくなってきている。