福島原発事故損害賠償訴訟 ー愛知·岐阜·静岡訴訟名古屋地裁判決の評価と課題一

摘要

2019年11月現在，東京電力福島第一原子力発電所事故(以下，福島原発事故)の被災者が東京電力株式会社(以下，東電)や国を相手に提起した損害賠償訴訟は全国各地で展開されており，集団訴訟に限っても既に12の判決が下されている. 本稿は，2019年8月2日に下された愛知·岐阜·静岡訴訟名古屋地裁判決(以下，本判決)に焦点を当て，その特徴を分析して法的評価を加えるとともに，今後の検討課題を明らかにするものでめる.