清泉女子大学本舘の保存·再生工事における内外装について

摘要

清泉女子大学本館（旧島津公爵邸）は、近代日本建築界の基礎を築いたジョサイア·コンドル晩年の設計で、1917年に全てが完成したイタリア·ルネサンス様式（レンガ造）の洋館である。調度や内装は赤坂迎賓館も手掛けた黒田清輝が整え、手掘りの石材彫刻が施された暖炉や、大階段、ステンドグラス等がある。内装も含めほぼ竣工当時の姿を残しているコンドルの数少ない作品である。関東大震災でほぼ無傷だった建物は住居として使い続けられた後、GHQの接収を経て、1961年に清泉女子大学が購入以降、大学施設として利用し続けている。