画業60余年の集大成[大久保雅]鏝絵展

摘要

左官の大久保雅（本名：雅一）氏（アトリエミヤビ主宰）による漆喰鰻絵展が、東京·世田谷区三宿のギャラリー「徳の蔵」において12月10日（水から19日（金）にかけて開かれた。本誌連載「漆喰に不可能なし」でもお馴染みの同氏は、吉田亀五郎門下の池戸庄次郎より指導を受けた伊豆長八の孫弟子である。同時期に饅絵名人の田村蕃稔に師事し、筆による彩色を用いない錦絵技法を「漆喰膿騰体」として昇華し、確立した。文化財の修復復元工事などを多数手掛ける傍ら、後進の指導にも献身的に努め、現代の名工（卓越した技能者）や東京マイスター（東京都優秀技能者）などの受賞歴がある。同氏による饅絵展は、平成5（1993）年に続いて21年ぶりの開催となった。