過活動膀胱（OAB）治療剤ソリフエナシンの研究開発と工業イヒ

摘要

過活動膜胱（overactive bladder：OAB）は，膀胱の尿を蓄える機能が低下することに起因し，尿意切迫感（突然襲いかかる我慢できない尿意）に加えて頻尿や尿失禁を呈する疾患である。本疾患に基づく尿意切迫感，頻尿および尿失禁は，日常生活および社会的活動などを制限し，患者の生活の質（Quality of Life：QOL）を顕著に低下させる。疫学調査によると，潜在患者数は日本で810万人，米国では3，300万人，欧州では2，200万人と推定されており，加齢とともに有病率は増加するため，近年の高齢化社会への移行に伴いOABはますます注目される疾患になると考えられている。