テーラードブランク材製造ラインへのファイバレーザの応用

摘要

近年，自動車は環境への負荷軽減と安全性の向上がともに求められており，その事体部品は，軽量化と安全性強化の両立が必要となっている。 車体部品としてのテーラードブランクは，プレス成形前に種々の形状，異板圧，異強度の素材を溶接して1枚のブランクとして成形する技術であり，各種高張力鋼板を組み合わせた設計によって，軽量化，コスト低減にメリットがあるため，適用部品が拡大している。 このテーラードブランクでは，現在，レーザ溶接が主流であり，CO{sub}2レーザ，YAGレーザが適用されてきた。 近年，高輝度·高効率なファイバーレーザの高出力化の急速な進展と信頼性の向上によって，テーラードブランクの溶接熱源として，実用的なレベルとなった。 当社では，このファイバーレーザを採用したテーラードブランク溶接システムを開発し，量産ラインとして導入していただいている。本稿では，この溶接システムの事例とファイバーレーザの溶接特性について報告する。