我国における硬さ試験機の開発·変遷とその周辺技術（「国立科学博物館平成20年度技術の系統化調査：材料試験硬さ技術」を終えて）

摘要

試験機メーカーでなくユーザー側の実務者として長年材料試験に関わってきた著者がこのような調査を実施し，その取り纏めをするのは苦労も多かったが，当協会の諸先輩方や現役の硬さ関係者の方々の協力を得て，また，カタサ研究会（現．日本材料試験技術協会）の吉澤武男初代会長，寺沢正男第二代会長（著者の大学研究室での恩師）等，今は亡き方々とも文献·資料を通して対話をしながらなhとか調査を進めることができた。まさに文献調査と現地所在調査（現存試験機，技術資料等）により，点（個々の試験機に関する情報収集），点から線へ，線から面への展開で硬さ試験機の技術的な変遷を系統的に捉えるべく，昨年の正月以来この3月まで延々と，調査·考察を続けてきた次第である。以下では，その概要と，現地所在調査で見出した，硬さ試験機の技術的な変遷を物語る現存試験機（保存または実使用中のもの）を紹介する。