届出規模は23社，出力680万kWにPPSの供給実績はまだ220万kW＝最近のPPS状況について＝

摘要

経済産業省が行った17年分購入電力の競争入札は（株）エネットが落札した。 同社は東京ガスと大阪ガスがそれぞれ30％ずつ出資しているPPSで，届出出力では業界2位の大手。 暴走気味の原油価格の影響を受けていないLNGを供給源にした優位性が落札の背景と考えられる。 電力の小売自由化元年の12年から実施している経済産業省の入札は，自由化効果のお手本を示す狙いがあるためかもしれないが，ビル用業務用電力の大幅な値下がりを象徴している。17年分落札価格の平均単価は11．99円／kWで，16年分から7．6％下がったが，自由化前の11年からは40％以上も値下がりした可能性がある。 PPSの届出規模は，この7月1日で23社·届出出力680万kWと集計された。 3月末から63万kW，年率換算252万kWものハイペースで増えていることになる。 16年度1年間で増加した10社·215万kWを上回るペースでもある。 このうち，6月未で供給を開始しているPPSは13社でその届出出力は665万kW。 しかし，PPSの供給電力は6月の時点で220万kWと推定されることから，需要は供給の3分の1にとどまっている。 原油価格が暴騰状態にあるため，石油を燃料とする発電所を供給源にしているPPSは今後苦戦しそうだ。電源の燃料多様化や分散が進hでいるPPSと，そうでないPPSとの価格競争力にも大きな差が発生しそうで，今後はP PSにも選別の試練が待ち受けている公算が大きい。