「燃·原料費調整制度」見直しへタイムラグや上限値を修正予定

摘要

都市ガス問題を主に審議する総合資源エネルギー調査会都市熱エネルギー部会（部会長＝植草益電力系統利用協議会理事長）が21日に経済産業省七緊急的に開催され，輸入原料価格の動向を需要家料金に転嫁させる「原料費調整制度」の見直しを行うことを決めた。 「原料費調整制度」は電力業界の「燃料費調整制度」とともに平成7年に創設されたもので，仕組みは「燃料費調整制度」とはとhど同じ。 ただ，都市ガスの「原料費調整制度」が「上限」値を基準原料価格の1.6倍としているのに対して，電力の「燃料費調整制度」は1.5倍としていることが異なるくらいだ。 この「上限」とは，当該平均原料価格と基準原料価格を比較して，平均原料価格があまりに上昇又は下降した場合は需要家への料金転嫁が大幅になるおそれがあるため，それ以上の値上げ若しくは値下げを禁止した境界線で，近年都市ガスは原油価格高騰に伴うLNG価格の大幅な上昇で「上限」値を突破する事業者が次々と現れている。 今回の「原料費調整制度」の見直しは，実はこの原料LNG価格の大幅な上昇による制度の破綻が主な原因で，緊急的に開催されたといっていいもの。 前週の17日には電力事業分科会で電力の「燃料費調整制度」の見直しも決まっており，都市ガスはそれに追随した形だ。また，麻生内閣で再任された二階経済産業大臣の来年1～3月の「燃料費調整制度」に基づく電力料金引き上げ幅圧縮要請も制度見直しに拍車をかけた。 すべては原油価格高騰に由来しているわけだが，最近は一転して大幅な値下げ局面にも入っており，電力，都市ガスともにこうした情勢を加味しながらどういった見直しを行うか，難しい局面に立たされている。