原油の独歩高響き，全社が値上げ調整時別高圧では改定比4～5％高続出

摘要

10～12月に検針される電気料金単価は，10社とも、改定時の単価に対しても，今期7～9月検針の単価に対しても高くなる。 4～6月に輸入された燃料価格の値上がりを料金に反映させる燃料費調整が実施されるためだ。 燃料価格の値上がりは原油相場の大幅な上昇を受けたものだが，現状の相場展開では来年1～3月検針単価でも調整値上げが継続される公算が大きい。 4～6月の原油とLNG，石炭の通関価格のうち，原油の円建て輸入価格は料金改定時の基準値を16％（18年4月料金改定4社）や11％（7月改定6社）も上回ったことから，平均燃料価格が10社とも調整バンド（基準値の上下それぞれ5％の範囲）を超え，調整値上げが必要になった。 4月改定組4社はすでに7～9月でも調整値上げを実施中のため，10～12月での追加値上げ幅は小さいが，7月改定組6社の今期は改定時の料金へ戻っているため，10～12月検針の値上がり幅は大きくなる。 7～9月と比較した家庭の値上がり額は，4月改定組は月39円（九州）～73円（東京），7月改定組では60円（北陸）～171円（沖縄）と小幅に映る。 家庭用は料金単価が高いためで，単価が安い産業向けの値上がり率は無視できない。 例えば特別高圧電力では，4月改定粗は1.6％（九州）～2.7％（東京），7月改定組は2.3％（北陸）～5.5％（沖縄）の値上げになる。 しかし，自家発電用C重油の値上がり幅とは比較にならないはど小さいため，今度の値上がりで電力需要が冷え込むような懸念はほとhどないであろう。