回復しないSS口銭と産燃油市況7月仕切も上昇で収益への影響拡大

摘要

原油市況は米国ドライブシーズンのガソリン供給不安や，ハリケーン，サイクロンなどの襲来患念，中東の政情不安を背景に，今年も高値の季節を迎えた。 WTI，ドバイは前月を上回る65ドル／バーレル台で推移，今後の状況次第では更なる上昇も予想され，消費各国には気がかりな夏場となりそうだ。2月から段階的に上昇してきたドバイ原油の影響で，元売各社の月次仕切は3月から6月まで4カ月連続の値上がり。 累計上げ幅も10円／lを超え，末端転嫁への長い取組みが続いているが，未達が解消しないまま，販売業者の収益を圧迫している。 特にガソリンは昨年11月～今年2月までの未曾有の市況混乱により，SSは今も昨秋のマージンレベルを回復できないでおり，消費者離れと相まってSS経営を厳しいものにしている。 7月も5カ月連続の仕切上げが迫る中，定修明けや梅雨入りなどの環境変化を迎え，ガソリン市況には不安要素も多い。 需要不振の中間留分も，コスト転嫁の尭達には遠く，軽油の輸出拡大に依存している状況。 販売業界からは元売に対し，設備能力削減などの抜本的な需給改善策を望む声も強まってきた。