原油市況は今年も春の高騰局面に

摘要

編集部－1月に急落した原油市況だが，米国北東部の気温低下やイラン核問題の再燃から2月は反発。 その後，3月中盤にかけて市況は緩hだものの，米国ガソリン相場の続騰や，イラン情勢の緊張を背景に，3月下旬には60ドル台半ばへと再上昇，昨年秋～冬場を大きく上回る水準となっている。米国製油所で相次ぐトラブルとメンテナンスによる米国の在庫不足，OPEC減産による世界的な原油在庫の低下に加え，イランの核開発停止期限（5月末），イラク，ナイジェリアの治安悪化，米国のドライブ＆ハリケーンシーズン入りと，原油市況には今後も不安材料が並ぶ。 国内市場にも，こうした原油コストアップの影響が及び，元売仕切は3，4月と連続上昇。 合計約4円／lの仕切値上げはしかし，販売業界の競争激化によって，満額転嫁には至らず，ガソリンや中間三品の市況は低空飛行が続いた。 4月の原油市況の約5ドルの上昇と円安により，5月の通告仕切は前月比5円上げと，久々にまとまった額に達し，販売業界は過去の未転嫁分や下げ過ぎ分の是正を含め，末端市況の建て直しを迫られている。 昨年に続き，大型連休中の値上げとなったSS業界は，131～135円程度の市況構築を図っているが，一部では出遅れも予想され，売掛先や会員価格等の是正も後回しになりそうなムード。 減販続きの影響か，コスト転嫁への対応力は昨年より明らかに落ちている。幸いにも値上げ環境は悪くない。 今度こそ，採算回復につなげたいところだが，5月商戦はどのような展開をみせるだろうか。