HS5,000円上げ，LS7,310円上げ

摘要

新日本石油系列の特約店や大口需要寮に4月25日（水），今期のC重油仕切基準価格，つまり当面の要求価格が伝えられた。今回も原油，為替の相場が目まぐるしく動いている時期での通告になったが，1カ月半近くも残っている想定期間のコストを安全の高下駄を履くことをやめ，当てにいった設定になっている。 支払サイト60日，湾内平水船持ち届けベースで表示された仕切基準価格は，S分3.0％が52,400円／kl,0.3％HP Pが57,710円／klで，1～3月決定価格からの値上がり幅は3.0％～1.6％のHS部分が一律5,000円，LS部分は0.3％で7,310円になった。なお，価格の底上げと金利上昇によって，30日分の支払いサイト格差が全S分で100円／klに50円拡大したことから，支払いサイト30日向けの価格は60日向けより100円安く，値上がり幅は60日向けより50円少ない。今期の値上がり要因は，4月に入ってから急騰した原油相場にある。しかし，HSの値上がり幅は市場の想定内だが，LSの場合は市場の予想を上回っているはず。LSの値上がり幅が7,000円を超えたのは，電力向けC重油需要の盛り返しなどでミナス原油が騰勢を強めているほか，年度替わりに伴う経費の見直しで400円を超える増額要求を盛り込hだためだ。 HSの経費は前年度を据え置いている。価格算出フォーミュラは前年度合意を踏襲している。 新日石は従来の路線を踏襲してコストの上昇分を転嫁した仕切基準になっているが，王子製紙と東京電力との中央価格交渉でも需要回復につながる石油製品の価格体系見直し議論は生まれないのか，5月のコスト展開と同様，価格交渉の行方が注目される。