大幅続落の2月LPガスCPだが対原油熱量比では上げ続く

摘要

サウジアラムコ社は1月28日，わが国の関係各社に対しLPガスの2月CPをプロパン285ドル，ブタン315ドルとした旨，通知してきた。前月に比べてプロパンが60ドル，ブタンが75ドルのそれぞれ大幅値下げとなった。CPは2カ月連続の下げ。それにしてもなhという乱高下ぶりか。11月～12月の2カ月でCPはプロパンが100ドル上げ，ブタンが110ドル上げとなった。この市場実勢を無視したかのような不条理な上げについては，当該記事で既に解説したが，この2カ月を恣意的とも思える上げにした結果，市場実勢を反映させた1～2月CPは急落することとなった。2カ月でプロパン175ドル，ブタン160ドルのそれぞれ大幅下げだ。まるでジェットコースターだ。それも富士急ハイランド並みだ。原油が乱高下することがLPガス市況乱高下の主要因ではあるが，CP億付けには政策的匂いがプンプンだ。サウジアラムコは米国のプロパン市況とフレート動向に相当気を遣っている。USガルフ玉の極東着価格と中東積み玉の極菜CIF価格をほぼイーブンにしたいのではないか。イーブンとなるところまでCPを上げ下げしているのではないか。2月CPは大幅に下げたのだが，対原油価格熱量等価比では135～152％と逆に上げている。これは原油下落幅がCP下落幅以上に大幅だったためだ。しかし，日本のLPガス業界，特に元売は「A重油からLPガスへの転換」に取り組hでいるが，夏場に原油の80％前後だったCPが，冬場に130％以上となるのでは，ユーザーも転換の考えなど放り出してしまうだろう。ついでに触れると，LNGの東アジアスポット価格は5ドル／百万Btu台と急落だ。原油急落で原油リンクLNGも急落している。今日は立春だが，LPガス業界の厳冬は続く。