LNGの続落，原油の続騰で2月も電気料金は6社値下げ，4社値上げ

摘要

2月分の電気料金は1月分と同様，6社で1月分より安くなるが，4社は少し高くなる。9～11月に輸入されたLNGと石炭の価格は続落したものの，原油が続騰したことから，LNGを使用している電力の平均燃料価格は値下がりした一方，LNGを使用せず原油の値上がりが響いた北海道と北陸，四国，沖縄の4電力は値上がりする。9～11月の円建て輸入燃料価格は，前8～10月に比べ，LNGが4.8％も続落した。原発代替需要増を背景に値上がりし続けてきた反動が出た格好。石炭も値下がり傾向が続いているが，輸入価格の値下がり幅は0.7％と小幅。しかし，原油は4.1％高と大きく値上がりした。欧州連合を覆っていた財政危機が和らぎ，景気回復期待などから相場が盛り返した。1月分に続いてLNGの値下がりと原油の値上がりがともに大きく，それらへの依存度の違いが明暗を分けた。1月分から北海道と四国，沖縄に次いで「値下げ調整」の仲間に入った東京は，値下げ調整幅を一段と拡大した。一方，他の3社は原油依存度が高く，調整値下げ幅は更に縮まった。しかし，LNG依存の高い電力でもまだ基準値を超えている6社では「値上げ調整」が続く。燃料費調整を適用後の2月分産業用特別高圧の単価を試算すると，1月からの値下がり率は中部が2.0％（22銭），東京が1.7％（23銭）になる一方，九州は0.9％（8銭），関西は0.5％（5銭），東北と中国は3我と小幅。3月分の燃料費調整も2月分の延長線上を辿ると予想されるが，変化幅は更に縮まりそうだ。10～12月の輸入価格を展望すると，前2期と同様，原油が上がり，LNGと石炭が下がる傾向にあるためだ。LNGと石炭の燃料価格は正確には予想できないが，原油は平均で2.5％ほど上がりそうで，前2期と同様，4社で値上がりしそうだ。