原料費調整制度の現状とLPガス料金への導入

摘要

1月積みCPがプロパンで870ドル／トンを記録し，10～1月の4カ月問で合計310ドルの値上がりとなった。 これを受けて元売名社は11～2月合計で32,000円／トンどころの値上げを打ち出している。 過去にも大幅値上げはあったが，今回の一連の値上げは未曾有のことであり，これをいかに料金に反映するかが喫緊の課題となっている。 一方，平成18年度LPガス消費者相談所に寄せられた相談内容をみると，全国3,349件のうち全体の30％（996件）を占めたのはLPガス価格についての相談であり，特に「都市ガス·地域料金との比較（249件）」，「料金制度など内容が不明確（215件）」などが多い。 また，毎年行われる各地方液化石油ガス懇談会においても消費者委員からの質問は料金問題に集中し（今年度も原油·ガス価格の急騰で関心が高かった），LPガス事業者は料金透明化に向けた取り組みが求められている。 これらの問題を解決する方法の一つが原料費調整制度であるが，認可料金である都市ガス·簡易ガスの原料費調整制度については，導入当初に想定できなかった市況の変動により，経営が圧迫されるケースが目立ってきた。 九州地区ではこれを解消するための料金改定，届出ラッシュが始まっている。 LPガス料金にも原料費調整制度を導入する事業者も増加，本誌でも平成9年以来紹介してきた円建てCPを算定基準とする方式が主流となっており，財務省CIFを基準とする方式に対する優位性が証明された形だ。 原料費調整制度を巡る現状を傍聴するとともに，本稿が今準導入を検討する場合の材料となれば幸いだ。