米国の石油需要回復傾向鮮明に年初からの累計需要1,890万バーレル／日

摘要

米国の石油需要が回復傾向をようやく鮮明にし始めたようだ。米国政府が発表する各種経済指標は景気回復を裏付けるものが多くなっているものの，例えばGDPの70％を占めるという個人消費が本当に上向いているのか，それを底上げする雇用状況は改善しているのかなど，数字では示されていてもまだ不透明感が支配的であり，実態経済の上昇がエネルギーの消費量の増加を伴う確実な数字として我々に示されるにはまだ乏しかった。しかも，昨年2009年の第1四半期は世界経済·米国経済がどh底にある時期であり，それとの比較においてわずかにエネルギー消費量が増加するといっても，それが力強さを伴うものであるかどうかを判断するには，今一つ迫力に欠けるものだったといってよかった。しかし，石油需要に関しては，年初1～2月はまだ低水準だった車のの，3月以降その回復を裏付ける統計や分析が相次いで発表されている。ここでは米国石油協会（API），米国エネルギー情報局（EIA），国際エネルギー機関（IEA）その他の報告などを参考にしながら，その足取りを確認していこうと思う。