9月も原油とLNGの値上がりで調撃下げ幅縮小による値上げ続く＝12月検針分電気料金の燃料費調整＝

摘要

9月分の円建て輸入燃料価格が判明した10月29日，電力10社は12月検針分の電気料金に適用する燃料費調整単価などを算出，発表した。新燃料費調整制度では調整単価が毎月見直される。今回は新制度で8回目の適用。前提に置く燃料の輸入通関時期は3カ月移動平均で今回は7～9月。旧制度では7～9月通関は翌々期1～3月検針用だった。制度改革で輸入価格の反映が旧制度より平均2カ月早くなった。その7～9月通関の燃料価格は，料金改定時の基準値より安いが，前6～8月に比べ石炭が1．5％値下がりした一方，原油で5．3％，LNGで3．5％続騰したことから，10社の平均燃料価格は揃って前期よりは高くならた。その幅は，東京の1，000円／畑が突出し，他の9社は300円（北陸と九州）から600円（北海道と中部，関西）の小幅な範囲に収まっている。平均燃料価格は改定時の基準値を下回っているため，12月でも調整値下げが続けられるが，前期との比較ではその調整値下げ幅が縮まる。つまり，12月の料金は11月より値上がりする。その幅は，家庭用が東京で19銭／kWh，沖縄で13銭，中部で11銭，残り7社が4～9銭と小幅。なお，12月分燃調達用後の特高料金を改定時と比較すると，北海道88．5％，東北88．0％，東京77．2％，中部91．4％，北陸98．4％，関西89．7％，中国89．0％，四国94．1％，九州92．2％，沖縄89．3％となり，中部と北陸，四国，九州を除いた6社では二桁の値下がり状態が続いている。来年1月の燃調は8～10月の通関価格から算出するが，入れ替わる7月と10月を比較すると，LNGには続騰が予想される一方，石炭には続落が，原油には急反落が予想される。調整値下げの状態は続きそうだが，12月との比較では，値上がりと値下がりが同居する可能性がある。（H）