クリーンルームにおける停電、瞬時電圧低下現象対策

摘要

半導体製造工場等のクリーンルームでは、生産に関わる安全性確保及び効率向上の観点から、短時間停電や瞬時電圧低下（瞬低）対策の充実を図ることが必須の課題となっている。 まず安全面については、作業員に対して危険なガスや薬液が多用される場所であることから、停電や瞬低が発生した緊急時であっても作業員が安全確実に避難できる機能が最低限確保され射ナればならない。 次に生産面については、長期間に渡る製造工程において、短時間でも停電や瞬低が生じた場合、生産装置の停止に伴う製品不良、あるいは生産動力源やクリーンルーム空調設備の再立ち上げに要する時間的ロス等により、多大な損失が発生することがある。 停電や瞬億については、様々な対策が考えられているが、停電や瞬低の定義、対策の規格は各社で異なっている。 また一企業においても、製品や生産システムの高度化、製造施設の拡張等の変遷により、事業漁工場によって現状の対策レベルが異なっていることもある。 対策の検討では、リスク回避の費用対効果が要点となるが、例えば製造プロセスと施設のように担当者の役割によってもその視点は異なり、実際にどこまでの範囲にどれだけの対策を講じるかについては、担当者が頭を悩ませる問題となっている。