高活性医薬品取り級い施設での粒子状ハザード物質の封じ込め--模擬粉体を用いた封じ込め性能評価

摘要

近年、製薬業界では高活性医薬品の開発が急速に進められている。高活性医薬品とは、一部の抗生物質、ステロイド剤や抗がh剤などの、効き目がよい半面、極微量の摂取でも予期せぬ悪影響を人体に与えかねない医薬品のことである（表1）。なお日本語では、高薬理活性医薬品とか高生理活性医薬品といった呼び方もあるが、ここでは簡潔に「高活性医薬品」と表記する。これらの高活性医薬品の製造施設では、GMP（医薬品等の衛生管理基準）への対応として他の医薬品への混入（クロスコンタミネーション）の防止、産業衛生上の対応として作業者への健康被害防止、外部環境への拡散防止といった対策が必要で、通常の医薬品製造施設に比べてより厳密な管理が必要とされる。主な曝露メカニズム（曝露経路）は、産業衛生の面とGMPの面で捉え方が異をるものの、表2に示すようにそれぞれ主に4つあるとされでいる。GMPの面で他の医薬品へのクロスコンタミネー