活性炭捕集／二硫化炭素抱出／GC－MS法を用いた室内空気中のスチレン定量法に関する一考察

摘要

2009年のスチレンモノマー（Styrene monomer，SM）の生産実績は273万2000トンで、その主な用途はポリステレン樹脂、ABS樹脂、プラスチック、ゴム、塗料等が上げられる。中でもポリスチレン樹脂の用途は食品包装用、家電製品、断熱材、発砲食品容器、発砲ポリスチレンビーズ、雑貨、住設備製品（スタイロ畳）等で家庭環境内で多く使用されている。これらポリスチレン樹脂からは微量ではあるがSMが放散している。このスチレンは粘膜刺激、頭痛、疲労感等の原因物質でもあり、0また、国際ガン研究機構（International Agency for Research on Cancer，IARC）はヒトに対する発ガン可能性物質に分類している。この様にスチレンのヒトに対する健康影響の観点から、世界保健機関（WHO）や我が国の厚生労働省は室内濃度指針値をそれぞれ勧告（WHO260μg/m~3、厚生労働省220μg／m~3）している。