重金属汚染土壌の対策技術

摘要

重金属汚染土壌の不溶化処理方法として、フェライト化法を検討した。 鉛、六価クロム、カドミウムによる模擬複合汚染土壌を室内実験で処理した結果、以下のように同法による不溶化を確認した。 1）第二溶出量基準を大幅に超過する六価クロムとカドミウムについて、土壌環境基準を達成できるまでに不溶化できることを確認した。 同時に、鉛について高い含有量を示す汚染土壌を処理しても、溶出量を増加させなかった。 2）処理後土壌の帯磁率増加が確認されたため、フェライトなどの強磁性体の生成が確認できた。 3）フェライト化pHは7～13の結果を比較しても不溶化効果に大きな差は生じなかった。4）不溶化処理後土壌の溶出特性は、水溶液中で生成したフェライト沈殿の溶出特性とほぼ同様であり、土壌からの溶出効率やその他成分などはフェライト形成に影響を及ぼさなかった。 5）対照実験として行った従来の硫化ナトリウム添加による模擬汚染土壌不溶化実験では、フェライト法のような不溶化効果は得られなかった。更にこのフェライト化法ほ不溶化に留まらず、磁選回収によって重金属を分離し、汚染の浄化方法として利用できる可能性があるため、今後も積極的に開発に取り組hでいきたい。