関西における組込みソフト産業の特徴「関西·大阪における組込システム産業関する調査研究報告」より

摘要

以上より、関西における組込みソフトウェア産業の特徴を次の6点にまとめることができる。まず、第1に、組込みソフトウェア業は中小規模性が強く、その60％以上の事業者は大阪府に立地すること。第2に、工業制御·FA機器·産業機器向けの受注が多いこと。第3に、人的なネットワークに支えられた営業環境を関西の事業者は重要視していること。第4に、ハードウェア業との連携や共同開発を望hでいること。これは、組込みソフトウェアがハードゥエアど強い関連があることを示すこと。第5に、業務系から組込み系への業種展開はややハードルが高く、展開は容易ではないと考えている事業者が多いこと。第6に、プロジェクトマネージャなどの高度な人材の不足感が強いこと、である。最後に、組込みソフト産業推進会議が提唱する「関西を組込みソフト産業の一大集積地」とした理念を実現させるには、こうした組込みソフトウェア事業者の経営実態を正確に把握し、事業者の実態に即したしかるべき施策の実施を検討することが必要であろう。