イオン液体中における単結晶n型二酸化チタン電極のフラットバンド電位に与える溶存化学種の影響

摘要

半導体電極にその禁制帯以上のエネルギーをもつ光を照射すると，電子が励起され，正孔が生成する．n型半導体では電位を印加することで生成した正孔と電解液中の反応種との間で光増感反応と呼ばれる電荷移動が起こる．半導体電極とイオン液体を用いた報告例は少ない．これまでに多結晶TiO2電極とイオン液体1－butyl－1－methylpyrrolidinium bis（trifhoromethylsulfbnyl）amide（BMPTFSA）を用い，金属イオン，金属錯体およびBrˉの光増感酸化反応について検討を行ってきた．このうちBrˉは電極表面に吸着し，光増感酸化反応が起こっている可能性が見いだされている，本研究では単結晶n型TiO2電極を用い，BMPTFSA中に臭化物イオンを添加した際の半導体電極の挙動の解明を研究目的としている．