触媒は均一系触媒と不均一系触媒に大別でき,それらは長所と短所を併せ持ち表裏一体の関係にある.すなわち均一系触媒は分子設計が容易であり,不均一系触媒よりも反応活性が高いが,比較的失活しやすく触媒の回収。再利用が困経である.逆に不均一系触媒は失活しづらく触媒の回収。再利用は容易であるが,触媒活性は均一系触媒に比べて低い.一方,可逆的な可溶性/不溶性変化を示すポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)に代表される温度応答性高分子を担体とする触媒や,固相担体に担持されたGrubbs触媒に代表される均一系触媒の“release and catch”システムなどは,均一系触妹と不均一系触媒の両方の利点を併せ待つため特に注目されており,これまで精力的に研究が行われている.本稿では,触媒としての観点からも非常に注目されている金属ナノ粒子において,均一系·不均一系の両方の利点を兼ね備えることに成功した最近の報告例を紹介する.
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