誘電体物性を用いた固体触媒作用の制御

摘要

固体の触媒作用をコントロールするのに、固体の物性を応用するとの観点から、自発分極軸をもつ強誘電体結晶や局所分極場をもつ誘電体を用い、触媒の活性化、反応選択性の制御および新しい光触媒の開発についての研究を行ってきた。 固体表面の電子状態や微細構造は、それを構成する表面原子配置や原子間距離によって規定されることから、結晶格子を人為的に歪めること、特に周期的に変位させることにより、触妓作用に顕著な効果を与えることができると考えられる。その方法として、強誘電体結晶の自発分極軸を一定方向に揃え電圧を印加すると結晶が歪む「圧電効果」としての弾性表面波と共鳴振動現象を用いた。