NO_x吸着性酸化物担持Pt触媒におけるNO-H_2-O_2反応の振動現象

摘要

Pt/TiO_2-ZrO_2触媒を用いて90°CでNO-H_2-O_2反応を長時間行った場合，NO転化率が時間経過とともに激しく変動する振動現象が認められた。 反応雰囲気中で，NOからunidentate型およびbidentate型nitrate（NO_3）吸着種が生成し，担体表面の塩基点に蓄積される。 負電荷吸着したNO_3による被覆率がある限界に達すると，その後のNO吸着が著しく阻害され，反応率の低下を引き起こす。しかしこの間も，吸着NO_xとH_2との反応は継続するので，徐々にNO_3被覆率が低下する。 被覆率が十分低下すると，再びNOの酸化的吸着とH_2による還元反応が併発して触媒活性は回復する。このように触媒表面のNO_3被覆率の増減を繰り返えすことよって振動現象が発現すると推定される。 本反応の振動現象はNO_x吸着性担体を用いた場合に特有の現象であると考えられる。