Pd-H_4SiW_(12)O_(40)/SiO_2によるn-へプタン骨格異性化

摘要

Pd-H_4SiW_(12)O_(40)/SiO_2上のn-へプタン異性化の反応経路，活性および選択性の支配因子の解明を目的とした。 H_4SiW_(12)O_(40)の担持量を変化させると酸強度分布が変化し，酸強度が低くなるとクラッキングが抑制された。 クラッキングがどの段階で起こるかを調べるため, n-へプタンと生成物であるモノメチル体およびジメチル体の反応特性を比較した。 その結果, クラッキングはジメチル体から主に進行することが分かった。 すなわち，選択性はカチオン中間体の骨格異性化と，ジメチノレ体カチオンのβ開裂の相対的な起こりやすさで決まり, 酸強度が高くなると後者がより促進されると結論した。 また，Pdなしでは反応は進行せず, へプタン類はPd上で活性化され，次に酸点上で異性化すると推定した。