環境対応型接着剤：接着剤と環境問題

摘要

最近、アスベストによる労働災害が大きく取り上げられた。その中で接着剤も問題となった。 アスベストは優れた機械的強度と独特な粘性の付与などの理由で充填剤として溶剤形接着剤などに配合されていた。 しかし、アスベストを取り扱う時、空気中にその微粉末が飛散する。 それを作業員が吸い込むと肺、気管に刺さりそれが原因で数十年後に重篤な病気に陥ることが明らかになっている。 この理由で、現在ではほとhど全ての接着剤にはアスベストは配合されていない。 上記の動きをさらに推し進めるシステムとしてGHS (Global Hamonized System)の導入がある。これは2006年中に実行するという政府通達で対応が行われている。このシステムは世界各国共通の基準で化学物質の危険有害性の表示をすることである。 国連の資料によると、GHSの目的は、化学物質および混合物に固有な危険有害性を特定し、そうした危険有害性に関する情報を消費者、労働者、輸送担当者、緊急時対応職員に伝えることである。日本では従来から労働安全衛生法と消防法により化学品の毒性と危険性について表示義務が課せられていた。 また、製品のMSDS（製品安仝データシート）の発行義務もある。これらの表示を短期間にGHSと整合させなければならない。接着剤は品種が多いので、この対応に多大の労力を要している。