キルン停止時の排出クリンカーによるポルトランドセメントクリンカー焼成工程の調査

摘要

キルン停止時に排出されるクリンカーを経時的にサンプリング分析した。 結果、窯尻に近い場所では揮発成分が濃縮される傾向があり、特にアルカリ分はNaよりKが濃縮される傾向がある。 また、C_4AF形成はC_3A形成より早期段階で行われてキルン窯尻付近で100％近く形成されていること、未反応のSiO_2が減少した後にAliteが増加する傾向にあること、クリンカー粒子径の増加に二段階あること等の知見が確認された。 これらの結果はキルン停止手順の影響、キルン内ヤクーラー内での混合の影響、キルン内の輔射熱の影響が無視できないので、これらの影響を考慮する必要はあるが、今回、キルン停止時の排出クリンカーの分析を行う事で、本調査はキルン内部での生成物の推移、及びクリンカー形成の中間段階での知見を得る一手法となることを確認した。